大阪アルマゲドン

試合結果 vs E.B.C
≪前の試合 次の試合≫


1234567 R
大阪アルマゲドン 0010230 6
E.B.C 2000000 2
日時2018年4月8日()  13時05分 〜 14時35分
種別 SKYCUP エンジョイリーグ
球場大阪城公園グランド
試合内容【勝利投手】ガリー 2勝2S (6登板)
【勝利打点】該当者なし

【MVP】ガリー(2回目)、ユウタ(初)
MVP得票数内約(ガリー6票、ユウタ6票、ハセやん1票)

〔三塁打〕ハセやん(6回)
〔二塁打〕Jiro(2回)、リック(3回)
〔盗塁〕カズオ 3個(4回)、Jiro 3個(6回)




『限りなく透明に近いガリー』


「今度の試合は人生で初めて緊張感をもって挑みますわ」

一週間前、監督ミネに先発を告げられ、その直後にガリーが発した言葉だ。

絶対に負けられないリーグ戦での先発という大事な役割を任され、緊張感を持たせるためにひたすら集中力を高めた。
なるべく人との会話を避け、家に帰れば大好きな上原の映像をひたすら見続け、イメージ・トレーニングで毎回抑えるビジョンを頭の中で作り続けた。

最大限に自分を追い込むために、監督ミネに究極の宣言をする
「この登板でダメだったらピッチャー辞めますわ」


その覚悟を持って挑んだ当日朝、
普段忘れ物をしない用心深いガリーだが、珍しくオーバルを忘れ、球場に着いてから気づく程この日は集中していた。

だが、オーバルがないとわかったことを知ったオーバル・ヒロキこと悪魔は
「今日はもう(打撃は)無理ですね」
とすでに諦めムード


ガリーはグランド一番乗りで大阪城公園内を7周した頃、続々とメンバーがやってきた。
さぁこれから気合いを入れて試合に挑むぞ!
と思ったが、遅れてやって来たヒロキとこうたろうの表情が浮かない。

「代表がキャッチャー道具を電車内に忘れたらしいんスよ...」

これまで散々リーグ戦に向けて練習をしてきて、人がミスすれば怒り、更にエラーや三振した者には容赦なく干していくあの代表が、こんな大事な日に野球道具を電車内に忘れる、しかも替えの効かないキャッチャー道具を忘れるとは...
この一週間、この日の為に、この日の為だけに時間を費やしてきたのに下手すれば棄権になるかもしれないという怒りでガリーが怒りの連続LINE。

1時間かけてキャッチャー道具をなんとか見つけ出してきた代表なおの顔はすでに死にそうになっていた。
なおの後日談として「ガリーさんから"はよせぇや"、"見つけ出さんかったらわかってるやろな?"、"野球だけじゃなくてキャッチャー道具運ぶだけの役割もできへんのか?"という罵倒のLINEが50通くらい入ってきた」と恐怖ながらに語っていた。


なんとか事なきを得て、グランドに入る。
試合前の監督からのスタメン発表で、名前がなかったことにショックを受けたハマが
「グヘヘ!ギュルギュルギュル!!ギュルギュルギュル!」
という鳴き声を発し、真顔でブルペンマウンドに走っていった。


試合前、キャプテンくぎみぃのじゃんけん勝利で先攻を手にしたアルマゲドンナイン。
だが、相手ピッチャーの投球練習を見てナインはいきなり意気消沈。

ノビのあるストレートと、キレ味抜群のスライダーに全員が打席立つ前からビビってしまい、初回はあっけなく終了。


その裏、顔を紅潮させ気迫がこもりまくったガリーがようやく登板。
キャッチャーはアルマゲドンの正捕手・ユウタではなく、代表のなお。
監督ミネが「お前はもっとチームの人間としてしっかりせなあかん。そのためにもお前が司令塔になって今日は勝てよ。」という意思の元、キャッチャーをなおにするという決断に。

だが、初回に至ってはその起用法が裏目とでる。

先頭をピッチャーゴロに抑え、2番を追い込んだあとカーブで空振りを取るも、キャッチャー慣れしていないなおが後逸しいきなり振り逃げでランナーを許す。
「まさか初ランナーが振り逃げとは全く予測してませんでした。」
とガリー。

その振り逃げに動揺したのか、与四球率がダントツで低いガリーが3番に対して四球で歩かす。

続く4番の当たりはセカンドへ強烈なライナー。
この日、慣れないセカンドに入っていたヒロキがなんとか前に止め、十分時間はあったが、慌ててしまいボールの行方を探しきれないままオールセーフに。
試合後リックはこのプレーに対し「あれ10秒くらい余裕あったけど、結局ボール見つからんかったな」。

一死満塁となり、大ピンチを迎えたところでキャッチャーなおは、
あの相手投手からの大量得点は厳しい、そしていまこのピンチでそれなりに打線は勢いついてる、果たしてなにを投げるのが正解なんだ...
と不安と恐怖でいっぱいとなりガクガクブルブルでサインを出す。

そして5番への初球...
詰まった打球はサード正面へ行き、キャッチャーなおは「しめた!」と立ち上がる。
この日、ミネの采配で"確実性"を求めた上で、今まで一度もサードで起用したことがなかったカズオを投入。
まさしくこの場面のためと言っても過言ではないくらいのバチっとハマった起用だったが...
カズオがゴロを処理し、投げた瞬間ショートバウンドになるとわかり、なおは「あ!」と声を上げなんとかすくい上げにいく体勢に入ったが、先ほどからの恐怖心と緊張感で掴めるはずもなく結果ホームを許してしまうプレーとなった(記録はサードの暴投)

このプレーで紅潮した顔から、般若のような形相へと変貌を遂げたガリーの顔をまともに見れるはずもなく、なおとカズオはただ下を向くしかできなかった。


1点を先取され、未だ一死満塁のピンチ。
まだ落ち着きをもっていたガリーはセンターフライに打ち取るも、深めに守っていたJiroの前にポトリと落ち追加点を奪われる。

守備範囲の広さならピカイチ、日本中を探しても谷佳知かJiroかというくらいの広さを持つJiroだったが、この日は彼女をグランドに連れてきていた為、「俺にはお前しかおらんのやで」と言わんばかりにいつもの守備範囲を自重。
その結果センター前となるも、守備範囲の狭さは肩でカバーし、スタートが遅れた1塁ランナーを2塁で補殺。
しかし2失点目を取られたことでピッチャーガリーのイライラは頂点に達し、打たせてアウトに取れないなら俺が三振を取る!という勢いで満塁のピンチを空振り三振で抑え、初回を2失点で抑える。

ベンチに戻ってからカズオが突然「なんか今日は右の手首が痛いっすわ」と全員に言って回っていた。
試合前のノックでノッカーに対し「もっと強い打球お願いします。」「まだ強くても行けます!」と初サードに向けて気合いが入っていたが、たった1つの暴投でメンタル撃沈。

「あれはキャッチャーも奪ったらなあかんわ」と周りがフォローを入れる優しさもあったが(記録はサードの暴投)、たった1つの暴投で気持ちが沈んでしまう。クスリと同じで、たった一回の失敗が一生ものになってしまう...
クスリ、ダメ、ゼッタイ。
ボウトウ、ダメ、ゼッタイ。


《2回表》
一死、二死と簡単に取られ、打席にはバットを持つと途端に期待できなくなるJiro。
先日の実践打撃で監督ミネの球をはじき返しただけで喜ぶ程度の打撃実力なので、このピッチャーには流石に"分"がなさすぎると思い、みんなが試合をそっちのけになった瞬間、、
差し出したバットの芯に運良くあたり、レフトの頭を越えていった。
打った本人が驚いた顔で走りだしたので恐らくJiro自身も想定外の当たりだったのだろう。
悠々と2塁に到達し、自身初の長打は愛する彼女が見てる前での一本となった。

イニング終わりに「なんか僕、ホームラン打てそうな気がしてきましたわ」とJiroがキャプテンに嬉々として話していたが、それを聞いていたキャプテンは「お、おう」とたじろいでいた。


《2回裏》
先頭を3球三振で抑え、2人目はセカンドへの内野安打。
盗塁で2塁を許して先頭に回ったところで牽制のサイン。
2塁牽制を試み、余裕のセーフ...
と思いきや、主審が「アウト!」のコール。
バッテリーの頭にハテナマークが浮かんだアウトとなったが、ここは黙ってやり過ごした。
ここはサインを出したショート・ユウタの巧さが光った。


《3回表》
ここまでJiro以外は不甲斐ない凡退続きで、この回先頭のリックも「テイクバック小さいし打ちにくそうやなぁ。けどイケるイケる」と不安が1割ながらも、自信満々に打席に向かう。
じっくり見るのかと思ったが、ファーストストライクをバチコーンとかっ飛ばし、先週の練習で見せたようなレフト線への綺麗なツーベース。
この日9番に置かれ、怒りのツーベースとなった一打はこの打順システムを考案した監督ミネへの憤りだ。

一死でトップにかえり、打者ヒロキ。
早いうちに一点を返しておきたい...と思った瞬間、相手投手がすっぽ抜けて死球。

続く1、2塁となりいろいろ小技ができヒットも打てるユウタ。オーバルがないヒロキより期待できるのかもしれない、と思った瞬間、まさかの二者連続死球。
温厚なユウタもさすがにこの展開にはピッチャーに向かって走り出すか!?
と思ったが、ここでも笑顔でピッチャーに「だぁいじょうぶ!大丈夫っス!」と優しさを見せる。
アルマゲドン全員が口を揃えて「ユウタは聖人すぎでしょ。絶対裏がありますよ」と言うが、果たして裏があるならどんな顔なのかと、そろそろ見てみたさもある。

一死満塁と、チャンスをタダで広げてくれたところでクリーンナップに。
3番、このところ打撃は上向きのくぎみぃ。3番DHという強打者感満載だが、このピッチャーには明らかにタイミングが合っていない。
こうたろうですら「ちょっと厳しそうっすね...」と見てて明らかな程、、、
いや、バットに当ててさえくれれば...という願いも届かずあえなく三振。

なんとか1点は欲しい展開で4番のタカ。
1打席目は長打を狙いすぎて大振りになったが、この打席はコンパクトにという心がけからバスター仕様に。
体格のいい4番のこの打法にコントロールに苦しむ相手ピッチャーがまさかのワイルドピッチ。タダで1点をもらったものの、これから先相手のミスでしか点をもらえないのかと思うと厳しい戦いになるなと感じた。


《3回裏》
先頭をこの日4つ目の三振でとり、波に乗ってきたのか般若の表情も治ったガリー。
ピッチング・フォームもダイナミックさを増していき好調さが伺え、守備にもリズムがでてきた。

続く3番打者がレフト前に抜けようかというライナーをショート・ユウタがダイビングキャッチ。
敵味方関係なくグランド内全員がスタンディングオベーション。
自分で撮影したビデオで奥さんと一緒に酒飲みながらこのプレーを20回は見直したというほど自画自賛のプレーだ
俺の本職はここなんや!と言わんばかりのプレーにハマもさぞかし興奮してるだろうと思ったが
「グヘヘ...ドゥフ!!!ミテ、ミテマゼンデジダァ!!!!ズビバゼン!!」

続く打者にセンター前を打たれたものの、5番をサードゴロに抑え...
と、サードが先ほどエラーをして落ち込んでることを覚えていたライトのセッキーは猛ダッシュで「暴投あるで!」という叫びと共にファーストのカバーへ。
だがここは安全に安全にと落ち着いていたカズオがワンバンで確実にアウト。
ハンバーグを作るような優しさでの送球に、ファーストリックは「もっとこいよ!」とゲキを飛ばす。


《4回表》
先ほどの回にサードゴロを処理したカズオが落ち着いて四球を選ぶも後続が続かずゼロに。

そして攻撃の間は...いや、守備が終わった瞬間からガリーの存在感が全くなくなり、守備が始まった途端ポッと出てくる。
この日は「ピッチャーに専念します。ピッチャーしてるときにランナーでると面倒なんで」と、DH希望だったがまさか攻撃時に何処にいるのかもわからないほど存在感を消すとは思っても見なかった。


《4回裏》
もうここまで集中して快投しているガリーからヒットを打てるわけもなく、
先頭をライトフライに打ち取り、ライトセッキーが難なくキャッチ。
その後は二者連続三振。

この快投っぷりにこの日登板予定だったカズオは「もう今日は完投行ってください!」とガリーに完全に任せ、誰が見てもガリーの完投ムードだった。


だが、1人だけ違った
「ガリーサン!マダイケマスカ!?
カワリマショウカ!?」

ハマだ。
なかなかマウンドに立たせてくれないハマが痺れを切らし、ガリーに直接交渉、キャッチャーのなおには「モウソロソロデスカ!?」、監督ミネへは「ツギ、ボクガマウンドデスヨネ!?」

だが当然ながら誰も首を縦に振らないので、それに怒ったハマはまたドゥ!!!デュ!!!グヘヘ!!!と発しながら、アバラ隊長ことハセやんをキャッチャーに座らせひたすら投げ込んでいた。
ハマのキャッチャーをしているハセやんの表情はすでに失われていた。


《5回表》
一死となりラストバッターセッキー。このところヒットどころか塁にすら出れていなかったので、なんとかしようという意気込みが感じられ、その意気込み通り四球で出塁。
相手の牽制エラーもあり、ランナー2塁のチャンスとなるも二死。
またもチャンスでなんでもできるユウタ。
先程は死球で打つことが出来なかったが、この打席は同点のチャンス。もう終盤ということでなんとか1点をもぎ取りたい気持ちもあり、ユウタも気合いが入っていた。
...が、ユウタの気持ちとは裏腹にまたもや死球。
温厚なユウタもさすがにこの展開にはピッチャーに走り出すか!?
と思ったが、ここでも笑顔でピッチャーに「だぁいじょうぶ!大丈夫っス!」と優しさを見せる。
アルマゲドン全員が口を揃えて「ユウタは聖人すぎでしょ。絶対裏がありますよ」と言うが、果たして裏があるならどんな顔なのかと、そろそろ見てみたさもある。(2回目)


先程は似たような場面で三振を食らってしまった3番くぎみぃ。
この場面はなんとか食らいついてでもなんとかしたい局面に、全力で抑えにくる相手ピッチャーにくぎみぃも必死で応戦。
なんとかバットに当てるもサードゴロ...これまでか、と落胆したがサードが送った送球を相手ファーストが捕球ミスをし後ろに逸らしてる間に同点ランナーのセッキー、逆転ランナーとなるユウタもナイスランで逆転。
全員でハイタッチで出迎え、この時ばかりは透明だったガリーもセッキーとユウタを出迎えた。

キャプテンくぎみぃの気迫勝ちと言ったところでこの回逆転に成功。


《5回裏》
試合前からひたすら狂人・ハマのキャッチャーとして付き合わされ、表情と感情を完全に失くしてしまったハセやんを見兼ねて、監督ミネがハセやんを呼び込み、
ミネ「おい、アバラ。試合に出たいか?」
ハセ「出たいです...」
ミネ「出たいか?」
ハセ「出たいです。」
ミネ「もっと大きな声で!」
ハセ「出たいです!!!」
ミネ「よっしゃ!行って来いや!!」
と、守備からながらようやく出番を掴む。

手首が痛いと言っていたカズオに変わり、逆転のエラーを誘う一本を打ったくぎみぃもサードに入る。


快投を飛ばしているガリーだが、この回先頭打者にレフト線に飛ばされ、2塁打コースか!?と思ったが、レフト・タカの素早い回り込みと、フィールディング、そして2塁への好返球もあり単打で止める。
ガリーが「あれ単打にしてもらったのがこの試合で1番大きかったですわ」と語る。
タカがレフトにいることでこのチームが非常に締まるので存在感が抜群だ。

続く打者のところで、飛び出したランナーをキャッチャーなおが1塁へ送球し、アウトに仕留める。
カズオから借りた『フルタの方程式』を前日に読み漁った甲斐があったプレーとなった。

その後は変わったばかりのくぎみぃがサードフライをキャッチし、続く2番をこの日3度目の三球三振に抑えサクサクな流れ。


《6回表》
一死後、このところ不調で打席に立たせてもらえなかった6番なお。
一邪飛、見逃し三振とこの日もいいところがなかったが、ファーストストライクを叩きレフト前へしぶとくヒット。

ワイルドピッチで2塁まで到達したところで、彼女を連れてきて終始顔がデレデレのJiro。
1打席目に長打を放ち、年上から年下までイケる守備範囲も今日は見せず、とにかく彼女が来ているということで絶好調なJiro。
得点圏のチャンスになんとかして塁に出たいという気持ちで引っ張った打球は三遊間へ。
相手ショートがうまく掴むが、捕球が精一杯でオールセーフ。
ランナー1塁3塁からすかさずJiroが二盗でイケイケ。

バッターは打点チャンスにこうたろう。
先程はくるとわかっていた高めの球に手を出してしまい、なんとかしたい場面だったが、この打席もあえなく三振に終わる。

続くリックはしぶとくバットに当て、ファーストのエラーを誘い込み貴重な追加点となる4点目を挙げる。


続く打者はハマの相手をさせられ感情を完全に失くしてしまったアバラ隊長ことハセやん。
この日の為にバッセンに通い気合い十分だったにも関わらず、前日に監督ミネ、オーバルヒロキ、恫喝フルスイング、そしてAbarasmithの4人でご飯を食べてる最中に監督ミネからまさかのリーグ戦スタメン落ちを宣告され、「やっぱ練習も参加できてませんし、いきなりリーグ戦はしんどいですしね!仕方ないですよね!」と強がってはいたものの、表情が暗くなりその日はそこから黙り込んでしまったハセやん。

そんなミネに対し怨みツラミの感情しか湧かず、この1打席で全てぶつけよう。これは俺のためじゃない、ミネへの怒りだと。

アルマゲドンの上位打線が誰もタイミング合わず、ヒットもここまでわずか4安打。そしてハセやん自身も18打数2安打と調子は奮わない中、このどうしても追加点がほしい場面でやってくれた。

ハセやんが「なにくそ!!!」とぶっ叩いた打球はショートの横を鋭く抜けていき、2点は確実。
あとはハセやん自身がどこまで進めるか。あまりの打球の速さにレフトのグラブも弾き、快速特急ハセガワは2塁を回り3塁へ...というところで足を絡ませてしまいズッコケてしまう。
チーム最年長、そしてアル中。。。走るには懸念問題が多いがハセやんは負けない。そのまま力強く立ち上がり、走り出し、3塁打でダメ押しとなる2点を追加。

この勇姿をみて監督ミネは次回の練習試合のスタメン4番を決めた。


《6回裏》
この追加点で相手に勢いがなくなって楽な投球になったガリーは軽々と投げ、投飛、遊飛、投飛とわずか5球で終わらせる。

Jiroが「ガリーさんにナイスピッチって声かけたいんスけど、殺気立ち過ぎてて近寄れないんスよ。近づいたら殺されそう」と、ここは1番若さ故の可愛さなのか、それとも彼女の前だから故の可愛さアピールなのかはわからなかった。


《7回表》
さすがにこの投球術にハマも諦めたのか、ネクストバッターサークルで無言で監督ミネを見つめながら素振りを始める。真顔で。

2死となり、バッターはタカ。
試合前の相手ピッチャーの投球練習をみて「この程度のピッチャーならいつも見てるんで余裕ですね」と言いながらの2三振無安打という結果に監督ミネが激怒。
「もう当てにならん!俺が代打で行く。ここ4試合で.500の俺がバッティングというもん見せたるからちゃんと見とけや」
といい、この場面で代打オレ。

代打なら初球から行きたいとこだが、相手の直球スッパスパ!にあっさりとストライクを見送る。
2球目はボールとなり、3球目はスライダーで追い込まれ...と言いたいとこだが〜?主審のミスジャッジでボールってわけ!信じられないでしょ〜?
そして4球目は甘めのストレートのストライク球を見送る。
代打で出て相手ピッチャーがストレートとスライダーをしっかりと見せてくれてからのこの甘い球を見逃して、果たしてなんの球を待っているのかさっぱりわからないまま、ラストボールは言うまでもなくストレートに空振り三振。
ベンチに戻ってからのタカの目つきはひたすらミネを睨んでいた。
ハマは相変わらず無言でミネを見ながら素振りしていた。真顔で。


《7回裏》
リーグ初勝利までようやくあと1イニング。
2回以降は危なげなくサクサクと進めてきて、攻撃時はしっかりと休めたはずだが、ガリー自身7回完投は未知の境地。
先頭打者をファーストフライに打ち取り、あと2人。

だがここでこの試合初めてと言ってもいいくらいはっきりとしたボールを投げる。
ストライクが入らない。表情も初めてみる苦しそうな表情。汗も止まらない...そして初回の四球とは違い、明らかな疲労からの四球に少しイヤな予感がした。
このまま崩れるか、次のピッチャーを用意すべきか、はたまたもうここで変えてしまうか...
いろんなことが頭によぎるのは、なんとしても勝ちたいが故の思考。

ガリー自身もやはり流れがイヤな気がしたのか、一球牽制を挟む。
刺しに行く牽制というよりかは、自分自身に一呼吸置くための牽制だろう。
ファースト・リックに送り、リックもそのままピッチャーに返す...と思いきや偽投。
この偽投に騙された1塁ランナーは塁を離れ、その瞬間にファースト・リックがタッチでアピールし、偽投成功で2死。
誰も予想していなかったファースト・リックのファインプレー。おそらくグランド内で1番落ち着いて、尚且つ楽しんで野球をしていたリックの一人勝ちとなるプレーに、ガリーはバーネット並の雄叫びを上げる。

最終回2死。最後の打者を最後の力で抑え込みに行く。
外のチェンジアップでストライク、一球外して、また外のチェンジアップでストライクを取りカウント1ボール2ストライク。
キャッチャー・なおの最後の要求はインローストレート。
その要求通りにバッチリと投げ込んだガリーのストレートに相手打者は手を出すことが出来ず、見逃し三振で試合終了。


無事リーグ戦初勝利を挙げ、なんとか最終ラウンドへの生き残りの道を繋ぐことはできた。

しかしリーグ戦にはこのレベルのピッチャーがたくさんいると考えると、もっと練習が必要だ。
だが今日は守備が安定していて、初回のサードゴロのホーム送球でキャッチャーが取り損ねたエラー(記録はサードの暴投)と、ヒロキの若干まずい守備ぐらいで、守備は成長したなと実感できた。

打線も下位組はしっかりヒットを放った。
こうたろうは塁には出れなかったものの、高めの球に手を出してしまったことに後悔の念を非常に強くもっているので、ここを我慢して見送れるようになれば更なる成長に繋がることだろう。

この試合はファインプレー&3出塁のユウタ、7回2四球4被安打8奪三振2失点のガリーがMVPとなったが、個人的にはハセやんを推したい。
途中出場からでも腐らずにしっかりとダメ押しとなる2点三塁打を放ち、勝利を大きく辿り寄せた。


試合後、キャッチャーなおがガリーに対し、「最後のインローストレートは一生忘れませんわ」
と伝えたところ、
「見逃し三振の快感をこれからもっと味わせてあげますよ」
となんともカッコいい返しがきて、なおは胸キュン。
ガリーにときめいていたその目は乙女だった。


ヒロキはひたすらJiroの彼女に嫉妬していた。
「人の彼女を見てきた中で1番かわいい。あんなかわいい人を彼女にするとか、Jiroのこと嫌いになるわ」
と、試合後はずっと拗ねていた



そして、結局最後まで試合に出ることのできなかったハマは今でもまだ、大阪城公園のネクストバッターサークルで素振りをし続けているという。
監督の画像を見つめながら...

頭出し再生時にスマホ、タブレットの場合は自動再生しないことがありますので、開始を押下してください。

打者成績 凡例...
打順守備選手名1234567















1家田三振死球●遊飛遊ゴ4 3 1
2岡田四球死球死球●三ゴ4 1 1
3釘宮投ゴ三振三失遊飛4 4
4髙田三振二ゴ三振3 3
4ミネ三振1 1
5カズオ投ゴ四球s遊飛3 2 1
6藤原一飛三振左安●3 3 1 1
7永井左二三ゴ遊内●3 3 2 1
8投ゴ三振三振3 3
9助っ人左二一飛一失●3 3 1 1
10関口三振四球●2 1 1
10アバラ隊長左三②1 1 1 2
11奥田
合計 34 28 5 6 2 1
投手成績
投手名 投球回数



















奥田7回0/32226820409300