大阪アルマゲドン

試合結果 vs IBC
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IBC 2001000 3
大阪アルマゲドン 100141x 7
日時2020年6月6日()  11時10分 〜 12時50分
種別
球場毛馬グランド1
試合内容【勝ち投手】岡田 2勝2敗 (5登板)
【勝利打点】森
【MVP】  森 (643日ぶりのヒットで勝利打点を叩き出す活躍)

[三塁打]西田 1 (4回)
[二塁打]関口 2 (5回)




『白日』

 昨年目標として掲げた"年間30試合"は余裕をもってクリアできそうなくらい今年は年始から活動的に試合をこなしていった。
 が、まさかの事態。雨や人数不足で活動ができない未来は予想できたとしても、謎のウイルスで野球どころか外出すらできない未来がくるなんて想像すら出来なかった。

 4月、5月と緊急事態宣言が宣告され、その自粛明け後の5月末から練習を挟んだのちに2ヶ月半ぶりの練習試合。

 少し遡って緊急事態宣言前の3月末から新メンバーとしてなみマネージャーが加わった。その3月末から「なぜか」全員の参加率がグンと上がった。そして9人ピッタリの試合の日でも、活動日の三回に一回はあった"当日欠席"も全くなくなった。
 それまで必死こいて人数が足りない時には来れない人一人一人にLINEしてなんとか来てくれないかと懇願しまくって、来てくれた時には今度からなるべく参加してくださいと頭を下げ回ってなんとかかんとか毎回ギリギリ9人を揃えてた代表の努力は、マネージャー1人によって簡単に解決されてしまった。
 なみマネージャーには大変感謝していると同時に、もうこのチームにとって代表の力なんて全くないんだという落胆も覚えた。たまに泣きたくなるし、おちこんだりもしたけれど、私はげんきです。
 どこで差がついたのか、慢心・環境の違い。
 これからこうやって平穏に人数確保できて、当日ブッチもなくなるのであれば、過去のことは全て水に流してあげようという優しさと心の余裕を持つことに決めた。そして、なみマネージャーへは心の底からの感謝をし続けることに決めた。

 さて、本題に戻って、そんな2ヶ月半ぶりの試合の相手はIBCさん。チーム結成後初試合といいながら練習風景を見るととてもいい動きをされている。相手の代表さんがキングヌーのボーカルに似ていることで、森が「いい声で歌いそうっすね」と。
 そんな相手の練習風景を眺めている時にこちら側が1人足りないことに気づいた。
 西田がいない。開始時刻になっても来ないということで、急遽関口がショートに回り、なんとか試合を開始。

 先発の岩井が投球練習を始めたあたりで、ベンチ後方から
「やってるッスね〜w」
と西田が自転車に乗って登場。いつものように笑っていた。
 自身が関口にライバル意識を持たれていることを知って、意図的に遅刻し、関口のショートの動きをベンチから見定めるという西田の思惑通りの展開となりテンション高い登場の仕方だ。
 そんな先頭打者の打球が高いバウンドでショートの元へ。バウンドを合わせ損ねた上に、バウンドが大きく跳ね上がり、打球がショート関口の遥か上を超えていった。
 それを見てベンチの西田が小さくガッツポーズしているのを藤原は見逃さなかった。

 さて、味方のマズい守備で先頭を出した先発岩井。続く打者の打球はセンター方向への鋭い当たり。永井も精一杯の守備を見せたが惜しくも打球がグラブから出てしまい、またも不運なヒット。
 次の3番打者の打球は三塁線へ。奥田は反応が少し遅れたと語るように、打球は虚しくもレフトへ転がっていく。久しぶりの試合となったレフト森はこの打球を焦って処理してしまい、岩井は早くも2点を献上してしまう。
 ワンアウトも取れないまま度重なる不運に味方を信じられなくなってしまった岩井は4番をピッチャーゴロに打ち取り、自分でワンアウトを奪う。これに安心したバックは、奥田も先ほどのプレーを取り返すようにサードゴロを2つ処理して一回表終了。
 しかし初試合だという相手に勢いをつけさせてしまう展開。なんとしても早めに点を取り返したいアルマゲドン。
 相手投手の立ち上がりが安定しない中、四球、死球、三振、四球とこちらはなにもせずに満塁となり、打者は坂田。野球をまともにしたことないながら、このチームで経験を重ねてきた。昨年から7試合出場したが、未だノーヒット。そんな坂田がこのチャンスの場面でバットにしぶとく当て、打球がライト前にポトリ。初ヒットで初打点も記録し、チームとしても1点を返し嬉しい展開に。続く2人は三振に倒れ、坂田以外はほんとに一切なにもせず初回を終える。

 2回表、先頭にツーベースを打たれるも後続をしっかり3人で抑えて岩井は仲間の援護を待つ。
 裏の攻撃、永井が倒れ、続くKyo1。成績の不振で「石田」から「Kyo1」と登録名を変え、自粛明けから心機一転で成績の挽回を目指す。塁に出ることを意識し、常に全力で走るKyo1はこの打席でサードへボテボテの当たり。これは足と肩の勝負になり、間一髪足が先に着きセーフ!______と思いきや、審判をしていた西田の右手が上に大きく上がる。その判定に驚いたKyo1の顔は信じられないという表情と共に怒りが込み上げみるみる紅潮していった。
 流石にこれはセーフじゃないと可哀想なので、記録上は内野安打と変更した。
 この件に関してはさすがの西田もこたえたようで、ベンチで項垂れていた。取り返しのつかない過ちの一つや二つくらい誰にでもあるよな、と自分に言い聞かせてなんとか平静を保つ。
 二死となり、ラストバッター奥田が四球で出塁。ここで本日先発ベンチの岡田が颯爽と立ち上がり、盗塁のサインを出す。その初球、サイン通り盗塁を敢行したが相手のツーバン送球に間一髪のギリギリセーフ。
 この盗塁に相手野手が「足速いっすね!」と奥田に話しかけてくるも、本人は「完全に嫌味かと思った」と後日談。
 この回も0に抑えられる。

 3回表。なんとか立て直したい岩井は三振後、ヒットを打たれるも直後に牽制で刺し、落ち着いたピッチング。そして4人目をレフトフライに抑えるも、約1年ぶりの試合出場となったレフト森が痛恨のエラー。
 試合後、なかなかバックに助けられなかった岩井が「今日は全体的に守備が...」と嘆いてたのを聞いた奥田が「ピッチャーは外野に打球運ばれた時点で負けと認めないと。エラーでどうこう言ってる内はまだまだ」と意識の違う発言にハッとさせられた。

 その裏、全く手が出ずあっさりと三者凡退。

 4回表になり投手は岡田にチェンジ。
 立ち上がりから三振、四球、四球、三振、ヒットとワンマンショーを繰り広げるも最後はショートフライに打ち取り1失点で逃げ切る。

 その裏、そろそろ点を返して行きたいイニングの先頭は先制タイムリーの坂田から。相手投手も波に乗ってきたので坂田には荷が重いかと思い始めたが、その初球にまさかのデッドボール。
 出場試合数は少ないながらも、死球数は昨年2個、今年も2個目と強打者バリに警戒された攻められ方で痛くも嬉しい出塁。
 続く大栗の場面で、坂田が牽制の誘い出しに飛び出してしまうものの、そのまま二盗成功の形でチャンス拡大。
 なんとか前に転がしたかったがここは三振に倒れた大栗。
 続く西田。遅刻を取り戻すチャンス、そして審判をしている関口と差を広げるチャンス。大興奮の打席となった西田は3球目のインハイをぶっ叩いてライトオーバーに。
 守備や中継がドタバタしてるのを見て、ランコーの岡田とベンチの藤原が「回れ回れ!」とかなり無茶な指示。その指示通りホームに突っ込んだ西田はあえなく御用。
 奥田は「これは代表が悪い」と責めながらも、藤原と岡田は「まぁ練習試合やしね」と満足気な表情だった。
 この西田の打席を審判から見た関口は「めちゃくちゃ綺麗なスイングで最高のバッティングでした。やっぱ(僕の)ライバルですわ」と心の底から褒め称えていた。

 5回表、四球、ヒット、三振、三振と程よい荒れ具合に相手も翻弄され、最後の打者もサードゴロに打ち取る。
 久々にサードに入った永井は超絶置きに行った送球をしたところ、ファーストに球が行かない上にシンカー気味に沈んでいく送球となり、倒れながらなんとか捕球したファースト藤原。
 
 その裏、ベンチで「俺の負けを消して俺の負けを消して俺の負けを消して」となにかに取り憑かれたかのように口にしていた岩井。
 先頭は、Kyo1。打球の当たりはまたもボテボテながら、最高速スピンがかかっていた為に相手投手が弾いてエラーで出塁。その後卒なく盗塁を決め、ラストバッターの奥田がバントを決めに行くもここは小フライとなりランナーを進められず。
 トップに返り、途中出場の藤原。相手の初球を真芯で捉えた打球は弾丸ゴロでショートの真正面に。ここは相手ショートが上手く処理し、落ち着いてアウトに取られる。「打球が火を拭いてましたよ」と言われつつも、そんな良い当たりでもヒットにならないあたり、代表としての力のなさが顕著に出た。例え代表の力がなくなっても、週末の趣味の草野球なのに人数が足りなくて毎週毎週週末になるに連れツライ思いをしてたあの時期に比べたら今は楽しいんだから堪える時なんだ。あのツラさはへばりついて離れないけど、堪えるんだ。
 続いて同じく途中出場の岡田。再びショートへの打球。ショートはつい直前でナイスな守備をキメたばかりなので、ここはあえなくチェンジか...と諦めかけたその時!事件は起こった。
 先ほどのプレーで安心をしてしまったからか、まさかの大暴投。首の皮一枚繋がった、思わぬ形で同点となった。

 そして398日ぶりの試合出場となった3番森。ここまで2打席連続三振と良いところがない。
 一年以上ぶりのその向こう側に待ち受けるのは天国か地獄か...

 ランナー二塁で勝ち越しのチャンスになんとか一本が欲しい場面、その初球。
 ぎこちないながらも振り切った森のスイングは綺麗にセンター前に運ばれて行った。
 643日ぶりのヒット、762日ぶりの打点が貴重な勝ち越しタイムリーとなる。久々のヒットに本人は喜んでるかと思いきや「エラー2個したんで、ヒット1本打っただけじゃ今日はマイナスです」と納得のいってない様子だが、その前向きな意識に髙田は思わず涙。
 そして4番に入る関口。今年はなかなか調子が上向いて来ず不振に喘いでいる関口だが、森が打ったことに奮起したのか甘く入った2球目を綺麗に右中間に打ち返す。一塁ランナーの森は一気に生還し、これまた643日ぶりに得点を決める。打った関口は二塁ベース上で西田に向かってなにか吠えていた。バチバチのライバル対決はこれからも目が離せそうにない。
 続く本日のラッキーボーイ坂田。2度あることは3度ある。このイニング3度目のショートへの打球はまたもやショートのエラーで追加点を上げる。ラッキーボーイ坂田は本日まさかの3打席3出塁で大貢献。
 これに動揺した相手投手は続く大栗にデッドボールを当て、続いては先ほど関口に威嚇された西田が打席に。関口のあまりの気迫に手も足もガクガクと震わせながら立った打席の西田はファーストゴロに終わった。
 勝ち越したことで自身の負けがなくなった岩井が「もう今日は満足です」と取り憑いていたものがいなくなっていた。
 
 さぁ勝ち越してからの6回表。
 2番打者にツーストライクと追い込んだ後、打者は負けん気から完璧に打ち返した打球はピッチャーの横を抜けていくライナー。岡田はこれになんとかグラブを当て、その後ろを守っていたセカンド関口が飛びついてキャッチ。落ち着いてファーストへ送球しワンアウトを奪う。
 練習で散々鍛えられた守備力が今年の強みなだけあって、エラーしない、アウトは確実、守備マゲドン。そしてファインプレイも出るという最高の流れ。関口は「これくらい余裕ですよ」という爽やかな表情で立ち上がった。それを見たなみマネージャーの目がハートになっていたのをベンチの岩井は見逃さなかった。そしてそのなみマネージャーを見る岩井の目がハートになっているのも髙田は見逃さなかった。
 その後は落ち着いて三振、サードゴロと尻上がりな岡田は調子が出てきた。

 いいプレーが出た後の6回裏。
 今日は終始大人しい永井が先頭打者。関口が「今日永井くん居ました?」と聞くくらいには存在を薄くしていた永井のこの打席は見逃し三振に終わる。
 自粛期間中、部屋でバットを持たされスイングの仕方を教えられたり、公園で守備練習をさせられたりと永井に色々指導された永井彼女が怒りに満ちた表情で「帰って今度は私が指導しておきますわ」と一言。
 Kyo1が四球で出塁すると、相手のワイルドピッチで2塁へ。そして3盗で相手捕手の暴投を誘い1人で点を奪った。1打席目の鬱憤を晴らすかのように2打席目、3打席目で塁上を走り回った。

 そして最終回。
 先頭を四球で出すも、キャッチャーフライ、サードゴロ、レフトフライとあっさり終えて久々の試合を勝利で飾った。

 今日は荒れ気味だった2投手を見事にリードし切ったキャッチャー大栗。
 「キャッチャーとしての目標は、パスボール0。ピッチャー全員から信頼されるキャッチャーになりたいです」と、とても頼もしい決意を言ってくれた。ワンバン、ショーバン関係なしにひたすら止めまくる姿は、とてもキャッチャーを草野球から始めたとは思えないキャッチング技術。大栗には非常に期待をしている。

 そしてなんだかんだ2年半くらいアルマゲドンを見続けてくれている永井彼女が、なみマネージャーと仲良く喋ってくれていたのも良かった。時には褒めて、時には怒って、時には誰かを傷つけて...動画をみてアルマゲドンに熱いエールを送り続けてくれている永井彼女にも感謝だ。


 そしてこの試合はサインの見落としが多く、試合後に岡田が大激怒。
 「うんざりするよ」
 と、呆れも混じった岡田の怒声にアルマゲドンの次にグランドに入った少年野球の子供たちが怯えていた。なみマネージャーはあまりの恐怖に涙をポロポロと流していた。そして怒声からの地響きとともに、大地は割れ、海は干上がり、空は燃える・・・
 岡田の熱いサイン指導は体感45分にも及び、試合には勝ったけど反省が残る1日となった。
 だが、この怠惰な現状は公式戦前にしっかりと身を引き締め直すことができて結果として良かったのではないかと思う。

 この岡田による叱咤が、今年の年末に優勝という春風を吹かせてくれるだろう...

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打者成績 凡例...
打順守備選手名123456















1髙田四球●投飛2 1 1 5
1藤原遊ゴ投飛2 2 4
2岩井死球三飛2 1 2
2岡田遊失●投ゴ2 2 1
3三振三振中安①3 3 1 1 1 1
4関口四球投飛右二①●3 2 1 1 1 111
5坂田右安①死球●s遊失3 2 1 1 1 1
6大栗三振三振死球3 2 82
7西田三振右三①一ゴ3 3 1 1 1
8永井左飛二飛三振3 3 31
9Kyo1三内投失●s四球●s3 2 1 2 22
10奥田四球s捕飛四球3 1 122
合計 32 24 5 7 4 4 21 10 1 1 3
投手成績
投手名 投球回数



















岩井3回0/32217230506100 
岡田4回0/31118540207520
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なみ スコア